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2026.06.27「フォース」と「つながり」

私はスター・ウォーズシリーズが大好きです。

公開中の映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』を観て、精神科医的・心理学的な視点からの感想や考察をしてみました。

この作品は、「無償の愛によるアタッチメント(愛着)の形成」と「トラウマの克服と自立」が描かれており、考えさせられる作品でした。

 

・愛着(アタッチメント)の再構築

孤独な賞金稼ぎだった主人公マンドー(ディン・ジャリン)と、孤児であるグローグー(ヨーダファンとしてはデザインがたまりません)の間に芽生えた絆は、心理学における「安全基地」そのものとして描かれています。無条件で自分を肯定し、守ってくれる存在を得たことで、グローグーの情緒的な安定がもたらされました。

 

・「守られる存在」から「守る存在」への成長

物語の後半で、マンドーが危機に陥った際、今度はグローグーが自らの力で彼を救い出します。これまでのトラウマや恐怖を乗り越え、他者のために能動的に行動する姿(自立とレジリエンス)は、子どもの成長プロセスそのものとして胸を打たれます。

 

・親の期待と「ありのままの自己」の解放

グローグーはかつて「ジェダイ(銀河の守護者)の道」を歩むよう促されましたが、最終的には自分自身の意思でマンドーと共に「家族としての道(マンダロリアン)」を選びました。他者の期待や血の宿命から逃れ、自分が最も安心できる居場所を選択する点に、心理的な解放が表現されています。

 

全体として、銀河系を巻き込む戦争の物語でありながら、旧シリーズ同様に「親と子の心の回復」という極めてパーソナルなドラマが丁寧に描かれている点が、心理的な深みを生んでいると感じました。

スターウォーズの醍醐味であるライトセーバーによる派手な戦いではありませんが、人と人との「関係性」を丁寧に描いている作品でした。

 

安心できる存在との関係は、人の心を安定させ、困難を乗り越える力になります。

医療でも、「支援する側」と「支援される側」が完全に分かれているわけではありません。家族も、友人も、医療者も、互いに影響し合いながら生きています。支えることで、自分自身も支えられていることは少なくありません。精神療法でも、「何を話したか」以上に、「誰と一緒にいたか」が回復につながることがあります。

 

最後に、スター・ウォーズには有名な言葉があります。

 

「May the Force be with you.(フォースと共にあらんことを)」

 

私はこの「フォース」を、特別な超能力ではなく、「人と人をつなぐ見えない力」と考えています。

『マンダロリアン&グローグー』は、壮大な宇宙冒険でありながら、「人は誰かとのつながりの中で変わっていく」という、ごく普遍的なテーマを描いた作品です。

精神科医としても、一人のスター・ウォーズファンとしても、この物語の続きをとても楽しみにしています。