~オルタナティブを生きるということ~
2025.10.9「羊文学」武道館ライブに寄せて
先日、羊文学の武道館ライブを観る機会がありました。
静けさと轟音が交差するその空間で、心が深く揺さぶられる体験をしました。
3人だけで作り出す音の広がりは圧倒的で、どこか懐かしくも新しい“オルタナティブ・ロック”の息づかいを感じました。
「オルタナティブ」とは、“主流ではない”という意味を超えて、“自分らしく在る”という姿勢のこと。
その音には、叫ぶでもなく、飾るでもなく、ただ正直に世界と向き合う強さがあります。
それは、私たちが日々の生活や仕事の中で、他人の価値観に流されずに「自分の輪郭を保つ」ことにも通じています。
ライブの中で印象的だったのは、音の“間”と静けさ。息をひそめ、音が生まれる瞬間を待つ風景。
過去や未来ではなく、“いまここ”に心を置くことの豊かさを、音楽がそっと教えてくれたように思います。
おすすめの一曲は、ドラマ主題歌にもなった「声」。
どんなにか細くても、自分の声を信じて世界に届けようとするそのメッセージは、不安や迷いの中にいるときほど、深く心に響きます。
「オルタナティブを生きる」とは、他と違う自分を否定せず、そのまま受け入れて歩むこと。
そんな小さな気づきが、心の回復や安らぎにつながる。
今回のライブは、そんな優しい処方箋のような時間でした。
