開業を考えた当初から、内装デザインやロゴについて構想していました。
内装デザインについての想いは別のコラムで書こうと思いますが、小さな空間だとしても、「パブリックスペース(=公共の場)」をイメージして作ろうと思っていました。
そのため、クリニック名については個人的な趣向を一切取り入れず、シンプルなものにしようと決めました。
「中目黒こころのクリニック」
シンプルながら、この名称に私ならではのデザインを入れたいと思い、文字をいろいろな視点で並べてみました。
NAKAMEGURO KOKORO NO CLINIC
「NO CLINIC」、気になる文字が浮かびました。私は精神科に対してのアンチテーゼを頭の隅に少しだけ持ち合わせていて、かねてより「精神科は私たちの社会に必要なのかなぁ(いや、あの患者さんのためには必要だったよなぁ)」「思い切ってクリニックらしくないデザインにしたいなぁ」など自問自答をぐるぐると思考していたため、その気持ちを文字デザインが拾ってくれました。
中目黒
こころ
の
クリニック
「の」の並べ方が素敵。
これは日本のモダニズム詩人・北園克衛氏がこだわった「余白の美学」「コンクリートポエトリー(言葉の意味を排除し、形式・形態にこだわった実験的な詩および1950年代に提起されたその国際的な運動のこと)にある時期に魅せられ、遊び心で文字を並べてみた結果、そのまま採用することにしました。
デザインやイマジネーションは、ヒトを感動させ、生きる力になると思っています。
だからこそ、私たちのクリニックは、「こころ」と「創造」の両方を大切にする場所を目指したいと思っています。

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